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BPOとテレビはあなたの子供のしつけはしてくれません

 毎月、BPOの視聴者の意見を見てるが、ここ最近は本当に酷い。特に、いじめ報道加熱してからという物本当に酷い。例えば「お笑い芸人が頭を叩くのは暴力を肯定している!」「バラエティだからといって人をバカにしたりするのは教育上よくない!」などだ。もちろん、この意見を全否定するつもりは全くない。しかし、「暴力をふるってはいけない」や「人をバカにしてはいけない」というのは親もしくはそばにいる大人たちが教える事であり、エンターテイメントの要素を含むテレビに躾を強く求めるのはかなり違和感を感じる。

今月、BPOに寄せられた視聴者の意見の中にこんな意見があった。

アニメ番組。この番組ではモンスターを強制的に戦わせている。さらに、そのモンスターの技の一部だが、大自爆というあまりにもひどい技があり、さらには、その番組の主人公がまだ、子どもである。子供たちがテレビを見ている時間帯にこれを放送しているのは問題ではないのか?
ドラマ番組。子供と一緒に見ていたが、番組冒頭切られた首が転がる場面が流れて、子供は非常に怖がっていた。このような怖い番組を夕方に放送するとは、局の姿勢を疑う。


どうやら、テレビでは死の描写すら描けないらしい。もう、訳わらん。米のドラマ24がゴールデンやプライムタイムで放送できない理由が何となく理解できた。ジャックバウアーの拷問シーンや自爆テロのシーンを見たら、この人達はきっとショック死するに違いない。アニメ番組の方はモンスターという単語から想像するに、おそらく、ポケモンだろう。とうとう、視聴者は現実とフィクションの区別がつかなくなったようだ。しかし、この意見。15歳(男)である。本当に15歳なのか?


どうであれ、彼らが真剣にBPOに意見を送っているのは確かだ。親として見せたくないというのもわからなくもないけど、子供にも選択権はあるはず。もし、嫌悪感を抱く内容であれば、来週からその子はその番組を見ないだろう。もし、見るのであれば、何からしらの面白さを感じているからだろう。楽しみを子供から奪ってはいけない。それこそ、子供のストレスが溜まる気がする。子供なら多少のエロやバイオレンスに興味を持つのは健康的な証拠。思い出して欲しい。自分だってそうだっただろう。多少の毒は必要だ。そうでないと、情報の取捨選択できるわけがない。テレビはお花畑の映像だけを流すわけにいかないし、そんなの一視聴者として見たくない。

BPOはなんでも屋さんではない。あくまでも、テレビ局があきらかに暴走している時にこそ使うべきであり、表現の自由(フィクション)を奪うものではないハズだ。しかし、バラエティは作り物だから、何でもアリだとは思っていない。BPOに届いている意見の中にもバラエティの括りである「占い」「オーラ」「スピリチュアル」などに対して懐疑的な意見がいくつか寄せられている。これはBPOの使い方として正解だと思う。これはあきらかな放送法違反であり、内容は宗教色がかなり強い。これがゴールデン進出というのだから、テレビ朝日は一体何を考えているのだろうか?これらの類の番組に視聴者はそっぽをむきはじめてるというのに・・・。加えて、どういう訳か、民放はどの局も疑わしいモノに手を出している。


日本テレビPower for Livingボージョボー人形
TBS:細木
フジテレビ:細木、特番で江原
テレビ朝日:江原、Power for Living
テレビ東京Power for Living
(2007年1月まで)


疑似科学や占いに割と厳しい方の日本テレビテレビ東京ですら、こんな状況だ。こういう状況を目の当たりにすると、正直、テレビはとても怖い。しかし、これを好む視聴者もいる事も事実なんだろう。見る側の選択権を考えるとこれはアリ?・・・いや違う。大人は判断能力を失ったんだ。嘘を嘘と見抜けなくなった。だから、自分の子供の躾の問題をテレビに責任転嫁するんだろう。あるある大事典を好んで見ていたのも大人だし、江原や細木の言葉に頷き涙していたのも大人だ。しかし、その大人たちも、あるあるの件で自分たちがテレビに騙されていた事にようやく気付いた。もう、騙されたくないのであれば、まずは自分の見てる番組も疑うべきだ。疑って疑って、自分の中で「ここまではOK」というそれぞれの番組の境界線を設けよう。その境界線を越えても、自分の考えも客観視し一度整理してから苦情を送るか否かを考えるべきだ。簡単にテレビ局、BPO、番組スポンサーなどに抗議すべきではない。


境界線とは

  • バラエティの境界線
  • ドラマの境界線
  • ワイドショーの境界線
  • ドキュメンタリーの境界線
  • ニュースの境界線
  • TVCMの境界線
である。


番組によって境界線はおそらく違うハズだ。
例えば、マジシャンのセロのマジックやガキの使い板尾創路が金をせびりに来るのを、「やらせだ!」「インチキだ!騙された!」とヒステリーを起こすのは人はたぶんいないはずだ。同様にドラマで中学生が妊娠したら「子供が性に興味を持ってしまう!責任取れるのか!」とか、今週妻が浮気したら「不倫を題材にするなんて、不倫を正当化してるとしか思えない!」等とBPOに苦情を送るそんな人間はまずいないと思いたい。自分の指摘は本当に正しいのか?まずは自分のひいた境界線を疑ってみるべきだ。きっと損はしない。BPOはそこそこ力を持ってます。BPOの指摘でなくなったコーナーや番組は結構あります。もし、安易にBPOを使用すれば、どうなるか?おそらく、毒気のない番組ばかりになり、テレビ画面が注意書きでいっぱいになる。注意書きほど萎えるものない。エンターテイメントとしてのテレビは衰退の一方だ。そういう意味では、現在テレビがおかれている状況はある意味、気の毒かもしれない。おかしな一部の視聴者に振り回されすぎたんだ。だから、BPOを利用する人は推奨意見も少なからず送ってあげてほしい。「これはいい番組だった」と。もしくは視聴者への反論という形でもいい。擁護があれば、きっと番組は死ななくて済むし、番組製作者たちも救われると思う。そして、番組制作者達は視聴率だけでなく、BPOの視聴者達の意見を目に通すべきだ。学べることが沢山あるから。