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『クリード チャンプを継ぐ男』 の感想(ややネタバレあり)

映画ロッキーシリーズの新章として銘打たれた作品「クリード チャンプを継ぐ男」が予想よりいい映画だったので、簡単に紹介。

 


「クリード チャンプを継ぐ男」特別映像

この映画を見る前に
  • ロッキーシリーズは見てなくてもたぶん大丈夫だけど、1~4までのあらすじは知っておいたほうがより楽しめる。5~6に関しては見なくて全く問題ない。
クリードに至るまで(ロッキー1~4まで)のあらすじ
  • ロッキー1:ボクサーとしても3流で周りからも若干軽蔑されてたロッキー・バルボアに急遽舞い込んだ世界王者アポロ・クリードとの試合。エイドリアンとの恋愛話も平行しつつ、世界戦へ。結果は判定負けに終わったが、予想以上のファイトに観客全員がロッキーの健闘を讃えた。
  • ロッキー2:ロッキーとの試合内容に納得がいっていないアポロはロッキーとの再戦を要求。燃え尽き症候群気味のロッキーだったが、アポロからの度重なる挑発とエイドリアンとの結婚&息子の誕生をきっかけに奮起し、再度アポロ・クリードと対戦。結果は、ロッキーのKO勝ちで見事に世界王者に。
  • ロッキー3:宿敵アポロに勝利したロッキーは国民的英雄に。世界王座も10度防衛し順風満帆の人生。引き際を考えていたロッキーに世界ランク1位のクラバー・ラングがロッキーに対戦を要求。ロッキーは対戦に応じようとするが、今までロッキーを支えてきたトレーナーのミッキーは要求を拒否。獰猛な野獣のようなクラバーと戦えばロッキーは絶対に勝てないからだ。しかし、クラバーとの試合を最後の試合にしたいという事で、試合が決定。試合開始直前、ミッキーが発作を起こし倒れてしまう支えを失ったロッキーはクラバー相手に手も足も出ず、ボコボコにKOされてしまう。その様子を解説席で見ていた宿敵のアポロ・クリードがロッキーに発破をかける。ミッキーに代わって、アポロはロッキーにボクシング技術を徹底的に基礎から叩き込み、ロッキーが苦手としていたフットワークと軽快なジャブを中心としたアウトボクシングやディフェンステクニックを習得させた。結果、クラバーと再戦し見事KOで勝利。親友関係になったロッキーとアポロは後日、誰もいなくなったジムのリング上で非公式の3度目の対戦を行う両者が距離を取りパンチを繰り出した瞬間に映画は終わる。
  • ロッキー4:旧ソ連がプロボクシングに加盟。アマチュアの世界で名を挙げていたイワン・ドラゴがアメリカでエキシビジョン・マッチを行いたいと表明。ドラゴを見たアポロは眠っていた闘争本能が蘇り、5年ぶりに現役復帰を決意。ロッキーもアポロの熱意に負け、セコンドとしてアポロを支えることに。しかし、結果は明白。長期間のブランクに加え、ドラゴの圧倒的なパワーになす術なく、サンドバック状態。アポロはタオルを投げようとするロッキーに対して、止めるなと懇願し、ロッキーのタオル投入が遅れ、ドラゴの強烈なパンチをもらったアポロはリングで絶命する。試合後、ロッキーはドラゴとの対戦を決意。圧倒的な肉体と科学的なトレーニングに加えてドーピングで更に強化されていく殺人マシンのドラゴに対して、雪山を走ったり汚いジム環境で地味できついトレーニングをして試合に臨むロッキーの対比。ソ連の政府関係者が見つめる完全アウェーの敵地に、かつて、アポロのトレーナーだったデュークと共に乗り込む。1Rからめった打ちにされるロッキーだが、驚異的な打たれ強さで徐々に挽回していく。そんなロッキーにソ連の観客までもがロッキーを応援するという事態に、ソ連政府関係者の顔から笑みがなくなっていく。最終ラウンドまでもつれた試合だったが、結果はもちろん、ロッキーのKO勝利。試合終了後のインタビューでアメリカとソ連の政治的な事情も踏まえたロッキーの言葉にソ連の観客も政府関係者もロッキーに拍手を送って映画が終わる。しかし、試合後にアポロの墓参りなどのシーンなどはなく終わっていたのが少し残念だった。

 この流れがあり、今作の「クリード チャンプを継ぐ男」につながっていく。

クリードの登場人物

今作のクリードは主に以下の5人を中心に構成される。

  • アドニス・ジョンソン(主人公):ロッキー4でアポロの目覚めた闘争本能はアポロに愛人を作らせるだけでなく、子供残してしまっていた。それが今作の主人公のアドニス・ジョンソン(ジョンソンは産みの母親の姓)。アポロがリング上で死ぬ前に残した子供でアポロとは一度も面識がない上に、母親もすぐに死んでしまったため、孤児として施設や里親を転々とする。アポロの妻のメアリーに引き取られてから、英才教育を受け、証券会社のエリートサラリーマンになる。しかし、サラリーマンをやりながら、週末はメキシコの小さなリングで団体非公認のボクシング試合に出場。特別なボクシングトレーニングは受けておらず、全て独学ながらもメキシコでは15戦無敗なのでアポロのDNAはちゃんと引き継がれている。
  • メアリー・アン・クリード:アポロの妻。アポロに実は愛人と隠し子がいるとしったメアリーはアドニスを探し出し、自分の息子として家に迎え入れる。今までろくな人生を歩んでこなかったアドニスに愛情を注ぎ、教育し大学まで行かせて、アドニスが証券会社のサラリーマンとして働けるレベルにまで育てる。本編での出番は序盤だけで後半は試合を見守るだけの存在ではあるが、この人がいなかったら、そもそも始まっていない話なので、一番の重要人物でもある。
  • ビアンカ(ヒロイン):今作のヒロイン。アドニスがアメリカで本格的に始めようと決意した拠点に選んだフィラデルフィアのアパートの下の階に住む歌手の女性。進行性の難聴を抱えており、将来的には耳が聞こえなくなるため、手話を勉強中。階下の騒音でアドニスと揉めるが、やがて恋仲になる。歌も美味いし、美人。
  • ロッキー・バルボア:アポロの盟友。当初、アポロのジムでトレーニングをするつもりだったアドニスだったが、アポロの死を理由に入門を断られてしまう。そこで思いついたのがロッキー。ロッキーはすでにボクシング界から完全に退いており、亡き妻の名前エイドリアンというレストランのオーナーとして働いていた。突然、現れたアポロの息子のアドニスに困惑しつつも、アドニスに何かを感じたロッキーはアドニスにボクシングを教えていくことに。
  • リッキー・コンラン(今作の敵役):素行が悪く度々問題を起こしては逮捕される問題児のイギリス人世界王者。作中では、PFP1位(階級差をなくした場合のランキング)として紹介されている。試合前の会見で対戦相手を罵倒し殴り、顎を骨折させて試合が流れてしまう。作中で一番の悪でアホでもあるが、超極悪人というわけでもない。役者は現役のプロボクサーでメジャー団体の地域タイトルなどの獲得経験もある。ライトヘビー級のランキング1位までいったこともある。コンランのキャラクターはメイウェザー(米国)とリッキー・ハットン(英国)を合わせたような感じか?

クリードのよかった所

  • ロッキーが出しゃばらない。主役はあくまでもアドニスに終始していたこと。
  • アドニスかっこいい。ヒロインのビアンカもかわいい。
  • アドニスは育ちのいいエリートではあるが、逆にそれが彼のモヤモヤとした気持ちになっている点がよく描かれていた。
  • スマホ世代の現代っ子のアドニスと黒電話世代ロッキーの対比がなんか面白かった。
    • ロッキーにしつこくボクシングを教えてくれと懇願するアドニスに練習メニューを書いた紙をアドニスに渡すとアドニスがスマホでその紙を撮影して、礼を言って立ち去ろうとする。
      ロッキー「紙は持って行かなくていいのか?」
      アドニス「携帯で撮影した。」
      ロッキー「無くしたり壊したりしたら?」
      アドニス「クラウドにあるから大丈夫。」
      ロッキー「雲?曇ってなんだ?」
  • Youtubeで一度も会ったことのないアポロとロッキーの試合を観て、シャドーボクシングをするシーン
  • ボクシングの描写は今までとは別格。対戦相手のボクサーたちも本物の現役選手がいるだけに本当によくできていた。アドニス役の俳優も相当巧い。
  • ショルダーブロック、アームブロック、パーリング、ダッキングスウェイバックなどパンチを受け流すディフェンスアクションが歴代シリーズよりも多く使われており、現実のボクシングにかなり近づいていた。
  • HBOの協力もあったためか、本場のボクシングの雰囲気と臨場感はとてもよくできていた。実況もとても良かった。
  • 音楽全般

クリードのよくなかった点

  • 世界王者に挑戦するためには、世界ランキング15位内(団体にもよって違いはある)に入らなければならないが、メキシコで15戦してるとはいえ、アメリカでは1戦しかしていないアドニスが世界タイトルに挑戦できる理由がやや説明不足。ダイジェストでもいいので、3戦くらい試合を重ねた描写でもあれば少しは説得力が上がった気がする。ご都合主義的な部分は仕方がないにしても、もう少し、こだわってもよかったのでは?
  • アドニスの線が少し細すぎる印象。本当に前日計量でライトヘビー級?ミドル級の設定でも良かったのでは?
  • 敵役のコンランが少し魅力不足。もっと、PFP1位というデータを見せるだけでなく、コンランの強さを表現したファイトシーンをもっと沢山見せておくべきだったと思う。アドニスがiPadで映像見るだけではやや物足りない。

という具合で、クリードの感想をまとめてみた。1月で上映終了する劇場が多いので、まだ、見ていない方は今月中に見ることをおすすめする。


『クリード チャンプを継ぐ男』予告